愛知県 N様よりご依頼いただきました。
少なくとも70年近く前の重箱だそうです。
年に1回使用する重箱の傷みがここ何年も気になっていて、新しい重箱も探すことがあったけれど、今使っている小ぶりの重箱が使い勝手がよくて、同じようなものがなかなか見つからなかったそうです。そんな中、ネットでこのサイトを発見していただいてお問い合わせに至りました。「傷んだ部分の写真」を何枚かメールで添付していただいたおかげで、おおよその見積もりをすることもできました。
16cm×15cmの小ぶりで可愛い木製重で、重箱が収まる手提げの台もついています。
ところどころ剥げやガタつきもみられました。蒔絵はそのまま残すことにしたので、内側から天渕にかけてと重箱の底の部分は全て塗替え、外側の剥げているところは部分修理をすることにしました。
漆の朱の色が部分で塗りかえるとどうしても同じにならないのですが、それも了解いただいてから修理にかかりました。
外側の部分修理は漆の赤の色が違うので、ちょっと目立っているかもしれませんが、この朱の色はどんどん明るく変化していきます。同じような色合いになるといいなと願いつつ、発送しました。
1月に御依頼いただいて、5月に発送しましたが、漆の臭いが抜けてくるのは2~3ヶ月後くらいです。来年のお正月には充分お使いいただけます。
☑ 約4ヶ月
☑ ~4万円まで
(注) おおよその修理費用としてご紹介しておりますが、修理の方法の他、年々材料費の高騰により変化してます。
ご依頼いただく際はその都度お見積りさせていただきます。ご了承ください。
本日、修理頂きました重箱、受け取りました。有り難うございました。現状では、多少漆独特に臭いも残っていますが、やがて消えてくれるのではないかと思っております。
おかげさまで、子ども、孫にも引き継げるのではないかと期待しております。
1月に御依頼をいただいて、3ヶ月ほど経った頃でしょうか。N様ご夫婦が旅行を兼ねて、わざわざここ鯖江市河和田地区までお越しいただきました。
せっかくお越しいただいたので、職人のところに案内し、修理中の重箱をご覧いただきました。
大事な重箱をお預かりして修理期間もずいぶんかかっていたので、申し訳ないなと思いながらも、こうしてお会いできたことに感謝しています。
N様、どうもありがとうございました。