DIYが人気な昨今ですが、漆の塗りや金継ぎなども自分でやってみたい!と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実は私もその一人で、職人と関われば関わるほど、「やってみたい!」という好奇心がどんどん膨らんでいって、とうとう漆塗りの職人塾に通うようになったのですが・・・
漆塗りというのは簡単ではない、どちらかというと大変ということが益々実感としてわかってきました。
どんなことが大変かというと、
●材料や道具を揃えるのが、なかなか大変(これは、漆屋さんや職人さんに相談する)
●仕上がりまでの工程の多さ
●素人ではなかなか綺麗に塗れない(そのままだとゴミだらけの仕上がりに…)
●漆の乾燥
などなど、自分一人で趣味でやろうと思ってもハードルが高いなぁと感じています。
だからこそ、奥が深くて面白い!ということもあるのですが。
実際に作業を進めていると、いろいろと勉強になることが多くて、その中でも今日は漆の乾燥時間について少しお話したいと思います。
漆はどのくらいで乾燥するのか?
漆を乾燥させるためには、温度と湿度が大事だということを、以前ブログで書きました。
それがこちら↓
漆を乾燥する場所が整っているという前提で、
工程ごとにどのくらいで乾燥して次の工程に進めるのか?
とにかく、漆塗りの作業は、さまざまな工程があり、一つの工程ごとに乾燥させる必要があります。
手間も時間もかかるということが、職人塾での作品制作を通してよく理解できました。
作業によって、乾燥時間は変わってくるのですが、
職人塾での私の場合、現在1週間に1度のペースで通っているのですが、それが丁度いい具合と感じています。
一つの工程を終えて、一週間置いて、また次の工程を終えて、一週間置いて・・・
おおよそ、このような感じで進めています。
完成してから漆がしっかり乾くまで
漆塗りのお椀は、塗ってすぐには漆が乾いていません。
漆独特のにおいもあります。私は漆のにおいに慣れているのでそれほど思いませんが、どちらかというとあまり良いにおいではないと思います。
以前、サバのようなにおいと表現した方もいらっしゃいましたが、それも人それぞれです。
この独特のにおいはいつかは消えてなくなります。
おそらく半年とか一年経つとほぼ気にならなくなります。
漆は、ゆっくり乾いて、より堅く丈夫になっていく性質なので、修理で塗り直した際には、最低でも半年、できれば一年は寝かしておく(そのまま保管しておく)ことをお願いしています。
漆がしっかり乾かないうちに熱い汁などを入れると、漆の変色につながります。
また、傷もつきやすいです。
ですので、黒・朱・溜塗のように刷毛塗りで仕上げたものは、約一年待ったほうがより長持ちするのです。