実家(90才代の両親は健在)の片付けをしていて、出てきた引き出しです。
母の母(祖母)が使っていたものとのことでした。
祖母は長唄を教えていたりした粋な人でした。
可愛い引き出しでしたがあちらこちらの塗りが剥がれていました。
現状保存も考えましたが、手を入れて大切に残していくのもよいのでは、と思いつきました。
そういえば、修理してもらえるところがあるはずだと思いだし、ネット検索をしていて御社を知りました。
LINEですぐにご返答いただきました。
引き出しを写真に撮って送信し、即、見積もりや修理方法、リスクの可能性についてご返答いただきました。
(便利な時代になったものですね)
とても信頼できる内容でしたので、即刻修理を依頼しました。
いまや、小引き出しはプラスチック製のものや外国製の木製のものが簡単に手に入る時代ですが、だれが使っていたかがわかる、刻まれた歴史のある昔ながらのよいもの(決して高価だったとは思いませんが)を手元に置いておく幸せ(そしてとてもぜいたくな!)を感じます。
荷ほどきした時に、その梱包がとても丁寧で、モノを大切にしていらっしゃる人々の気持ちが伝わりました。
少し涙が出そうになりました。
小引き出しは、まるで我が家に嫁いできたかのような扱いをうけているような感覚にとらわれました。
まだ漆のにおい(香おり)がしています。
祖母はこの引き出しに何をいれていたのだろう、と想像しています。
お忙しい中を、とても丁寧に、そして良心的なお値段で修理していただき感謝申し上げます。
2021年4月 北海道R.M様よりご依頼いただきました。