長野県S様よりご依頼いただきました(2022年)
今回は3個のお弁当箱の塗り直しをご依頼いただきました
それぞれ元の塗りが違い、その状態の物を拭き漆にすると色に特徴がでますのでご紹介させていただきます
左から、拭き漆仕上げ・内側も外側もクリア塗料仕上げの物・外側はクリア塗料で内側は無塗装の3種類です
どのお弁当箱も外観はそれほど痛みがないように思いますが内側にはがれなどが見受けられました
早めのケアでご依頼いただきました
拭き漆→拭き漆
元々拭き漆の物は再度拭き漆をしても色に変化はほとんどありません
クリア塗料→拭き漆
クリア塗料が塗ってあるお弁当箱はその上に拭き漆をしても、漆の染み込みが少ないので、そこまで茶色くなりません
ただ、塗料の剥がれがある部分などには漆が染み込んで黒く仕上がります
無塗装→拭き漆
内側と外側で色の違いがはっきりしています 元々外側はクリア塗装で内側は無塗装です
無塗装のお弁当箱はご飯の保湿に優れていますが、どうしても汚れが付きやすいのが難点です
今回ご依頼いただいたお弁当箱はとてもうまく手入れをされていたようで黒いシミがほぼ見えませんが
普通であれば黒いシミができてカビではないのですが、あまり見栄えが良くなくなってしまいます
修理前に黄色くなっているのが見えますが、黄色いシミや黒いシミは拭き漆をすることによってほぼ目立たなくなります
無垢材に拭き漆をすると、全て同じ色合いに仕上がるのではなく、木の材質によって色が変わります
柔らかい木(杉など)は濃くなり、堅い木(ケヤキなど)は薄く仕上がります
漆の場合は色の濃度は自然任せとなります
ご使用されていた無塗装のお弁当箱を拭き漆にする際、ご注意いただきたい点が塩分です
塩分が染み込んでいると漆が入り込みませんのでその部分だけ白っぽく仕上がります
例えば梅干しを毎日入れていたお弁当箱は梅干しの形で白っぽくなってしまいます
その点はご了承ください
■お客様の声をいただきました
■今回の費用
拭き漆から拭き漆へのお弁当箱塗り替えはおおよそ2,500円程度
塗料塗りから拭き漆はその1.5倍程度
無塗装から拭き漆は2倍程度かかります
(注) おおよその修理費用としてご紹介しておりますが、修理の方法の他、年々材料費の高騰により変化してます。
ご依頼いただく際はその都度お見積りさせていただきます。ご了承ください。
■今回の修理期間
1ヶ月ほど
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