3ヶ月に一度発行している「漆器日和」の最新版に、金継ぎに関する記事を書きました。
(お直し品をお返しするお客様に同送しているニュースレターです。)
金継ぎとは、割れや欠け、ヒビのある陶器を継いで、金粉や銀粉などを蒔いて仕上げる修復技法です。
接着に漆を使い、下地に漆を使い、金を蒔くために漆を使うので、ほぼ漆での作業ということになります。
これまで、金継ぎに関してあまり紹介してこなかったので、
金継ぎのご依頼は少ないですが、
それでも全然ないわけではないので、
修理事例に「金継ぎ」のカテゴリーを作ってみました。
→→→ 金継ぎの事例はこちらから
何か月か前のことになりますが、
実家の母がお気に入りの急須の蓋を誤って落としてしまい、
割れてしまったことをとても悲しんでいました。
そういえば、
容量とか、大きさとか、注ぎ口の漏れがないとか、
いろんな意味で使い勝手がいいと普段から言ってました。
代わりになる蓋がないか
(普通はありませんけど、それだけ気に入っていたみたいです)
探しているところにたまたま私がいて、
直そうか?と言うと、
そんなことが出来るの???と少し驚いていました。
母は、金継ぎで直すという考えは全く持ち合わせていなかったようです。
金継ぎした蓋を渡したら、それはそれは喜んでくれました。
というか、金継ぎをした部分が素敵な模様に見えてとても気に入った様子。
割れた部分を接着して、
錆を埋めて平らにして、
金粉を蒔いて仕上げました。
蓋裏は、漆継ぎで仕上げてます。
日常使いのものを自分で直せるなんて、ちょっと得した気分です。