こちら北陸地方も、昨日6月11日に梅雨入りが発表されました。
全国的に梅雨のシーズンですね。
朝からジメジメと湿気を感じています。
漆の乾燥には湿度が必要だけど、梅雨の時期は最適なの?
結論から言うと、漆の乾燥に梅雨の時期が最適とは言えません。
乾燥というと、お日さまや熱、風などに当てるというイメージですが、漆の乾燥は湿度が重要です。
湿度がなければ、いつまで経っても乾かないというのが漆の特徴で、適度な湿度に加えて、適度な温度の環境が必要です。
漆の乾燥に必要な環境とは、一般的に温度が20℃~30℃、湿度が70%~85%といわれています。
以前のブログ「漆の乾燥についての話」でも触れています。
湿度と温度のバランスが大事で、湿度が高すぎても低すぎてもダメ、温度が高すぎても低すぎてもダメなんですね。
温度や湿度が高いと、漆が早く乾きすぎて、縮ってしまうということがあります。
色の出方にも影響して、早く乾くと色が濃く仕上がります。
逆に温度や湿度が低いと、漆がなかなか乾きません。
塗師職人は、自分の工房に漆器を乾燥させる回転フロがあり、自動で回るようになっています。
漆を塗ってしばらく(漆がやわらかい状態)の一定期間は、漆がダレないようにするため、回転させて乾燥させます。
天然素材の漆ならではの乾燥の仕方ですが、
もし、自分で簡単な漆塗りをした場合は、簡易的な方法で乾かすことが可能です。
◆簡易的な漆の乾燥方法
・用意するもの
段ボール箱、濡れタオル
段ボール箱に漆を塗った品物をいれて、上に濡れタオルをかけて(蓋にする)1日から3日ほど置いてください。
拭き漆であれば、1日で手で持てるくらいに乾きます。
以上、漆の乾燥についてでした。