漆器の下地の補強として、布着せといって、布を貼る作業工程があります。
漆器の修理においても、ヒビや隙間の部分に必要に応じて布着せを施しています。
布着せの時に使うのが、糊漆(のりうるし)です。
漆は、糊の役目も果たす万能な素材ですね。
糊漆は、生漆に米粉(糊粉)混ぜて作ります。
※米粉は漆屋さんで販売されています。
この糊漆は、冷蔵庫でしばらくは保管できるそうです。
他にも、麦漆といって、生漆に小麦粉を混ぜて作ったものを使う職人さんもいらっしゃると思います。
生地に薄く糊漆をつけて、布(寒冷紗や麻布など)を貼り付け、その上から、へらや刷毛を使って布を貼っていきます。
布を貼って漆が乾いたら、下地を何度か施して上塗りまで仕上げる場合と、
布の質感を出すために、拭き漆をして仕上げる場合があります。
私は、この布の質感を残した仕上げが好きで、
実は現在、職人塾という漆塗りの塾に通っているのですが、
初めて布着せに挑戦しています。
どんなふうに仕上がるのか、今から楽しみです。