こんにちは、大石です。
お客様から、以下のようなご質問をいただきました。
”塗り直しは、私(大石)が塗っているのか、それとも外注に出しているのか?”
残念ながら、私は職人ではなく、あくまでも”漆器修理アドバイザー”ですので、漆塗りなどの修理に直接携わっているわけではありません。
漆器の塗り直しは、専門の越前漆器職人が携わっています。
私たちの越前漆器産地では分業体制が確立しており、生産工程ごとに専門の職人が携わっています。
専門性を高めることで、品質の安定と高い生産能力を保っています。
つまり、一つの製品を仕上げるまでに、素地、塗り、加飾などの作業工程があり、その工程ごとに職人が存在しているのです。
木地職人、漆塗り職人なども、お椀などの丸物を専門に扱う職人もいれば、お盆や重箱など角物を専門に扱う職人もおり、使う道具も変わってきます。
漆器修理専門の職人はいません
現実的な話ですが、漆器修理だけで生計を立てることは難しく、通常作業の同じような工程の際に修理品を挟んでもらっています。
なかには、「手間のかかる修理は出来ればやりたくない」という職人もいるので、否応なしに修理に携わってくれる職人は絞られてきます。
しかも、ある程度の経験が必要になってきます。というのも、漆器修理のほとんどは、別の産地のものだったり、かなり昔のものだったりと知識や経験がある程度ないと柔軟に対応できないからです。