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漆塗りの職人さんが「現代の名工」に選ばれました。

昨年(2018年)の秋のことですが、いつもお椀の修理をお願いしている漆塗りの職人さんが「現代の名工」に選ばれました。

ウィキペディアによると、

”現代の名工(げんだいのめいこう)とは、卓越した技能者表彰制度に基づき、厚生労働大臣によって表彰された卓越した技能者(卓越技能者)の通称である。”

 

もっと早くこのブログでお伝えしたかったのですが、年が明けてしまいました。

 

 

2018年11月13日付 福井新聞の記事より

 

以下、新聞記事より引用

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漆工 山田秀樹さん(鯖江)

 

 越前漆器の塗師になって60年。

数々の賞に輝き、1989年には天皇陛下が即位の儀式で身に着けられた冠の上塗りも手掛けた。塗りを極める一方で、自らについては「半人前」と評する。飽くなき探究心は「よりいい物を作りたい」という一心からだ。

 出身は旧今立町。家で特別な時にだけ使っていた真っ赤なお椀が印象的だった。中学卒業後、塗師になろうと実家を出て鯖江市河和田地区へ。修行し始めた頃は漆でかぶれて顔がぼこぼこになった。それでもやめようと思ったことはなく「日によって表情を変える漆に引かれていった」。

 塗りの中でも異なる色の漆を使い境界部分を自然に見せる「ぼかし塗り」は特に高い評価を得ている。均等にするための電動ろくろは使わず、複数のはけを巧みに操り絶妙な感覚で仕上げる。「機会はきれいになりすぎる。時間がかかってもこれがこだわりや」と胸を張る。

 今回の栄誉に「好きなことをして、賞までもらっていい人生」と喜ぶ。創作意欲は衰えない。「(塗師として人生を全うし)はけを持ったまま死ねたら、これ以上の幸せはない」

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山田さんは丸物の漆塗り職人さんで、越前漆器の伝統工芸士でもあります。

主にお椀の塗り直しをお願いしている職人さんです。

 

通常の仕事をこなしながら、常に新しい作品に取り組む姿勢には頭が下がる思いです。

 

 

そんな山田さんに塗ってもらった汁椀があるのですが、

下地から上塗りまで、すべて山田さんにお願いしたものです。

下地は本堅地(ほんかたぢ)といって、丈夫な下地を施しています。

以前、私個人が書いているブログ記事で、お椀の下地の記事がありますので、よろしかったらご覧ください。

 

 

山田さんのお椀がお買い物できます

宣伝ですみません。

 

山田さんの漆塗りのお椀は、株式会社ヒロセが運営している「ハレの日ショップ」というところでお買い物いただけます。

一度ご覧ください。

越前漆器の木地師(伝統工芸士)が木地を挽き、越前漆器の丸物師(山田さん)が塗りを手掛けたお椀です。