兵庫県、田中様よりご依頼いただいた刀の鞘の修理事例です。
短刀用で、長さ約28cmほどの鞘の一部分が虫食いが原因で漆が剥がれていました。
骨董品で古さの風合いを大事にしたいというご希望もあり、漆が剥がれている箇所のみの修理を施しました。
修理前
側面に漆の剥がれが見られます。
反対側の側面も漆が剥がれて、白木地が見えている状態でした。
修理後
風合いを損なわずということに気を付けて仕上げました。
漆の朱の色は全く同じにはなりませんが、なるべく近づけた色で塗り直しています。
塗りたては黒っぽい朱ですが、徐々にもう少し明るくなりますので、より近づいた色に変化していきます。
天然の漆ならではの特長です。
今回の修理費用の目安は?
約6,000円
(注) おおよその修理費用としてご紹介しておりますが、修理の方法の他、年々材料費の高騰により変化してます。
ご依頼いただく際はその都度お見積りさせていただきます。ご了承ください。
今回の修理期間は?
約2ヶ月
お客様の感想
このような江戸時代の物は、その時代感を大事にせねばならず、部分補修ということを無理にお願いしました。
大変満足しております。
刀剣は、特にオリジナリティーを大事にする美術品であり、漆という日本伝統の外装と相まって成立するものでしたが、その片方の漆が衰退しており、困っておりました。