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変わるもの、変わらないもの

昔と比べると今の世の中は

交通手段も格段に発達し、

ITによって情報の伝達も瞬時に行える。

これからはスピードの時代だ!

 

私も「なるほど、その通りだ」と思ってますし、

今やスマホなしでは生活できないとも思ってます。

 

SNSなど新しいサービスが出てくると

すぐ試したくなるし・・・

世の中は本当に便利になったな~と

つくづく感じております。

 

が、漆器の修理(特に漆を扱う作業)は

全く今のスピードの時代とは逆行して

ゆっくりと動いているといった印象で、

それが逆に心のよりどころみたいに

なっているようなところもあるのです。

 

いわゆる「昔ながらの」といった感じ

 

スピードの時代でも、

”どんどん変化していくもの”と

”変わらずあるもの”とがあるんだなーと。

 

私たちが扱う漆器製品も

変化を遂げている分野もあれば

変わらず受け継がれているものもあります。

 

木製の漆塗りだけだったものが、

樹脂製の化学塗装製品が開発されたことで、

大量生産が可能になったり、

食器洗浄機で洗える漆器が出来たり、

価格が抑えられたり、

納期が短縮できたり。

 

便利になることはたくさんあります。

 

 

便利になった恩恵を受けて暮らしていた私が

最近ようやく気付いたのは、

不便と思っていたものの本当の良さ。

 

 

それは、

木製の温かみだったり、

天然の漆ならではのつや感・深み・強さだったり。

これは、古い漆器の修理に携わることで

自然に湧いてきた感情です。

 

逆に、漆器屋で生まれ育ったのに

なぜそういうことを理解しようとしなかったのか、

本当に恥ずかしい。

 

そんな風に感じるようになったら、

無性に欲しくなったものがあります。

 

それは、私が絶大なる信頼を置いている

職人さんたちの作った漆器モノ

 

だって、

修理されたお客様の漆器モノを手に取る度に、

こんな器使いたいなぁ

っていつも思うから。

 

つやっとして、

ぽてっとして、

深みのある漆独特の風合い

 

上手く表現できないのが悲しいけど・・・

 

 

受け継がれた技術で堅牢な味噌汁椀を作る

越前漆器の職人さんたちの技術で

自分が毎日使いたいと思う

お味噌汁のお椀を作ろう

 

そう決めたのが、昨年の9月

 

そこから、どんな木の素材を使って

どのように木地を挽いて、

どんな工程を経て

お椀が作られるのかを

一から十まで自分の目で確かめながら

進めていくことにしました。

 

あれから約一年が経ちます。

ようやく、あと一歩で完成というところまで

たどり着きました。

お盆過ぎには塗りあがる予定です。

 

工程作業を見せてもらうため、

日程の調整などの関係もあり、

予定より時間もかかってしまいましたが、

結局一年かかりました。

 

Instagramで

#味噌汁椀を作る

で検索していただくと、

写真をご覧いただけます。

 

お椀が出来上がるまでの工程は、

後日紹介いたします。

 

 

さて、

 

 

塗りあがってすぐに使えるか?

というと、

正直お勧めしていません。

 

漆は、ゆっくり乾いて

より丈夫になっていくから。

色も徐々に明るく変化していきます。

 

最低3ヶ月から半年はそのまま保管します

 

スピードの時代だ!

と逆行しているというのは

こういうところ

 

これが私には妙に心地良く感じます

 

 

 

越前漆器の職人が作った味噌汁椀を使ってみたい

新年にお椀を新調したい、

(来年のお正月あたりから使っていただくのが理想です。)

木のお椀、漆塗りのお椀でお味噌汁を食べたい

 

 

 

木のお椀は、熱が伝わりにくいので、

熱いお汁を入れても、全然平気。

そして、冷めにくい。

 

少しでも興味を持っていただいたら、

お問い合わせくださいませ。

 

といっても、まだ完成してませんが(笑)

 

 

 

たくさんは作っていませんが、少々余裕はあります。

塗りあがってきたら、こちらでも紹介しますね。