こちら福井は朝晩はめっきり冷え込むようになりましたが、日中は25度を超えるような暑くなる日もあり、着るものに困ってしまいます。
皆さんのところはいかがでしょうか?
さて、先月お重箱の修理品を納めたお客様からお手紙が届きました。
塗りなおした重箱のこと、とても喜んでくださったようで私たちも嬉しいです。
そして、もう一つ嬉しいことが書かれていました。
手紙の主であるお客様は、お住まいの地域の地方新聞を購読されており、時々書きたいと思うことがある時に投稿されているそうです。
今回、修理した重箱のことを書いて出されたところ、10月10日の欄に掲載されたそうで、その新聞の切り抜きをコピーしてわざわざ送ってくださったのです。
その内容をかいつまんでご紹介すると、
数年前よりお正月のお節料理を入れていた重箱の片づけるたびに漆が少しずつ剥がれてくるのが気になったこと。
NHK連続テレビ小説「まれ」を見て修理しようと思ったこと。
修理された重箱が届いて、「捨てたらいい」と言っていたご主人も感激してくれたこと。
最後の結びには「50年以上前からあった重箱、お姑さん、喜んでくださるかしら。」と。
それぞれのご家族にそれぞれの歴史があり、想い出があり、大切なものがあるんですよね。
また、お手紙の中で、
「捨てていたら、こんな喜びや話題もなかったと思います。」
と書いてくださっています。
漆器の修理は、深くて難しいことがたくさんあって、正直面倒なことばかりなのですが、お客様からこのようなお手紙をいただくと、面倒がらずこれからも一生懸命取り組まなければと改めて思いました。