摺り漆(すりうるし)の木製しゃもじを以前お買上いただいたお客様から、ずいぶん色が剥げてきたので塗り直しできますか?とお電話をいただきました。
もちろん、できます!
摺り漆は、漆で拭いて仕上げる作業です。何度か塗り重ねて、色をだしていきました。
修理の流れです。
修理前の木製しゃもじです。
表も裏もかなり色が褪せて、木肌が見えています。
塗り物のしゃもじだから当然のことですね。
摺り漆作業の様子です。
生漆(きうるし)を塗り重ねていきます。
塗った直後はあまり変わりませんが、時間が経つと色が濃くでてきます。ある程度乾いたら、また同じように塗っていきます。
今回はしゃもじの剥げ具合を見て、2度、3度塗り重ねました。
裏側は黒漆を表と同じように塗り重ねました。
漆はかぶれますので、手袋をして作業を進めます。
すべて塗る作業を終えて、乾かします。
漆の乾燥は湿度が70~80%必要ですので、箱に並べて濡らしたバスタオルを上にかけて何日か置いておきました。人間には考えられない状態ですね。
新品同様の摺り漆の木製しゃもじが完成!
これでまた気持ちよくお使いいただけます。
修理期間の目安は?
約2週間~3週間で修理作業は終了ですが、漆の臭いが気になりますので、1ヶ月以上は置いておきたいですね。
修理費用の目安は?
☑ 500円~1,000円 (1本につき)
(注) おおよその修理費用としてご紹介しておりますが、修理の方法の他、年々材料費の高騰により変化してます。
ご依頼いただく際はその都度お見積りさせていただきます。ご了承ください。
その他
今回のしゃもじの修理は、以前私たちが販売してお買上いただいたものだったので、修理費用に関していつもよりサービスさせていただきました。
漆器の修理は時間や手間がかかり、費用に換算してしまうと合うのかどうなのかわからなくなることもしばしばですが、大事にお使いいただくお客様のためにこれからも心を込めて修理させていただきます。
お客様の声
塗りなおして使えるなら、捨てないで塗りなおしてもらおうと思って依頼しました。お値段もサービスしていただいて、本当にありがとうございました。
またお願いします。