たたき塗り
写真は漆のたたき塗りで仕上げています。凸凹のあるざらざらした仕上がりで、とても丈夫です。
傷つきやすいお盆の裏などには、たたき塗りで仕上げて傷が目立たない工夫をします。
この「たたき塗り」はどのようにしているんだろう?
職人さんに聞いたところ、
漆にあるものを混ぜて塗るそうです。それらは3種類あって、
①玉子の殻を砕いたもの、②豆腐、③おからなんですって。
玉子の殻は聞いたことありましたが、豆腐とかおからというのは初耳でした。
上の写真は、漆に豆腐を混ぜた漆を使っているそうです。
昔の職人さんの知恵ってすごいですよね!
豆腐を混ぜた漆をスポンジなどでたたいて塗って、そのあとローラーでならすんだそうです。
機会があれば、一度その作業を見せてもらいたいなぁと思ってます。
漆のたたき塗りは、とにかく丈夫なんですよね。
これは余計な話ですが、
たまに、漆塗りで仕上げた漆器を塗装に塗り替えて見積もりしてと言われることがあります。
もちろん、お値段の問題があるからだと思うのですが、正直もったいないなぁというのが個人的な意見です。
もちろん、たたき塗りのような仕上がりを塗装でもすることはあります。私もそれぞれの意見や価値観を尊重していますが、漆は漆だし、塗装は塗装。
漆の風合いは漆でしか表現できないなぁっていつも感じています。