小ぶりの可愛らしいお弁当箱のセットです。一体これは何だろう?と職人と話したところ、おそらく桃の節句で使うお弁当箱じゃないだろうか、という推測に至りました。
このお弁当箱にお料理を詰めて、節句をお祝いする場面を想像するだけで、なんだかワクワクします!
このお弁当箱セット、すべて塗り直して、蒔絵も同じように描き直して、天渕の金も描いて、仕上げました。
お弁当箱セットの修理完成
美しい漆のつやも甦り、天渕とフタの表面に本金蒔絵を施すことで豪華な中にも上品な仕上がりになりました。
今回の修理期間は?
約4ヶ月かかりました。
今回の修理費用は?
約7万円
※本金蒔絵なども含んでいます。
(注) おおよその修理費用としてご紹介しておりますが、修理の方法の他、年々材料費の高騰により変化してます。
ご依頼いただく際はその都度お見積りさせていただきます。ご了承ください。
☆ここでちょっと一言
本金を使用する場合は、修理費用がずいぶん変わります。
御存知とは思いますが、金の価格が依然から比べると何倍にも高騰しており、漆器の修理でも金を使うか使わないかで費用がずいぶん変わります。場合によっては、塗り代より高くつくこともあります。
辺の大きさが同じ重箱であっても、厚みが7mmと10mmでは金を使う量が変わってくるので、必然的に10mmの方が高くなります。
※これが、塗料であれば、7mmの重箱でも10mmの重箱でも費用はほぼ変わりません。
蒔絵師曰く、「蒔絵で金を多く使っている場合の修理費用は実際描いてみないとわからない」
それを重々承知で、修理の蒔絵代の見積もりを出してもらっているというのが現状です。
修理は同じものがほとんど来ないという難しさですが、大変な作業に柔軟に対応してくれる職人さんにはいつも感謝しています。