漆塗りで仕上げる場合ですが、漆の色の経年変化の説明は必ずさせていただいてます。
「漆は経年変化で、塗りたては黒っぽい色から徐々に明るく変化していく」
このように、ただ言葉を並べるだけでは、どうもピンとこないですよね。明るくと言われてもどんな風に?と首をかしげることになるでしょう。
あるお客様からも「どのように変化するのかもっと詳しく教えてほしい」というお問い合わせをいただきました。
そんな時、たまたまですが、同じお椀の塗りたてと1年くらい経ったものがありましたので参考のため写真を撮ってみました。
最初の写真をご覧ください。
向かって左側が塗って間もない溜(ため)色で、右側が1年ほど経過した溜色です。
はっきりとはわかりにくいかもしれませんが、色が黒っぽい、明るいというのがわかりますか?
漆はこのように、徐々に色が変化していくのです。おそらく溜(ため)色はより明るくなっていくと思います。
内側の朱の色も変化しています。拡大して撮ってみました。↓
向かって左側が黒っぽい赤で、これが1年ほど経過すると、向かって右側のような明るい朱色に変化しています。
言葉だけではどうしてもわかりにくい部分ですので、こうして写真を見て比べていただくことで納得していただけるのではと思います。