三重県のT様より
文箱の修理とのことでご依頼をいただきました。中板が1枚入っており、実物は硯箱でした。
ご依頼主様の二代前の方が賞を頂いた記念品とのことで思い入れがあるとのことでした。表の絵をなくしてしまうと全く別のものに変わってしまうので絵は残して修理をさせていただきました。
蓋の表
[修理前]
[修理後]
蓋の横上部にひび割れがみられました。蓋表はやはり永年の細かい擦り傷は見られましたが幸い大きなヒビなどはなかったのでそのまま残せました。
ヒビを全てこくそで埋め外側の横と蓋の内側は全て塗り直しました。表面の部分は触ってませんので、ツヤの面では若干の差が出てしまいますが表面も少し磨きをかけ差をできるだけなくすようにしました。
本体
[修理前]
[修理後]
本体は無地ですので全て塗り直しました。ご覧の通り新品同様となります。
もちろん中板もすべて塗り直しました。
全体
[修理前]
[修理後]
完成です。
充分お使いいただけるようになったかと思います。
木製品は下地の状態にもよりますが、全体を塗りなおせばほぼ新品のようになります。
真塗りの文庫などは特に下地がしっかりしているものが多いので美しくよみがえります。
ただ思い入れのあるものであったりすると絵を残されたいと思われる方がほとんどですし、もちろん描き直すより費用も安くすみますので、できるだけご希望の通り残すところは残しながら修理をさせていただこうと思っております。
今回の修理期間は?
☑ 約2ヶ月
今回の修理費用は?
☑ 約1万5千円ほど
(注) おおよその修理費用としてご紹介しておりますが、修理の方法の他、年々材料費の高騰により変化してます。
ご依頼いただく際はその都度お見積りさせていただきます。ご了承ください。