石川県 K様
お気に入りのお弁当箱を中学生の息子さんに持たせたら、見事に割って帰ってきたとのことでした。どこで作られて、どんな商品なのかもわからないけれど、10年以上大事にしてきたものなので修理したい・・・とfacebookに書きこんだところ、お友達が私たちの修理サイトを見つけてくれたそうです。
木の風合いを活かした漆器の場合の修理注意点
今回のお弁当箱は修理できます。
ただし、元のようにきれいな仕上がりにはならないことをまず了承いただく必要があります。
欠けたところを接着して修理することになるのですが、このような木の風合いを活かす仕上がりの漆器の場合、欠けて接着した部分やヒビの部分はそのまま修理したということがわかるような仕上がりにしかなりません。
それから、接着して拭き漆を施すだけでは丈夫さの点でも劣ってしまいます。
私たちが提案したこと
元々の木の風合いを少しでも残すことが一番だとは思いましたが、お弁当箱は飾っておくものではなく使うものですので、少しでも長持ちするように丈夫にするということも重視しました。
そこで、提案させていただいたのが、お弁当の外側側面に布を貼る方法です。
布を貼って漆で固めることで欠けやヒビの部分も心配せず使うことができるようになります。
そして、布の風合いをあえて活かすことで、いままでとは違った味わいがでるようになります。
こうすることで、外側から欠けやヒビは全く見えなくなりました。
ただ、内側だけは元の風合いを残すため、拭き漆仕上げにしましたで、うっすらと跡がみえています。
写真で欠けやヒビ部分は確認できますね。ただし、全体的に拭き漆をかけているので「つや」も出て美しくなったと思います。
蓋も本体二つと艶を同じにするため、拭き漆仕上げをしています。
本体の外側を布貼りにすることで立派になったとおっしゃっていただけたので良かったです。
ご依頼ありがとうございました。
今回の修理費用の目安は?
15,000円ほど
(注) おおよその修理費用としてご紹介しておりますが、修理の方法の他、年々材料費の高騰により変化してます。
ご依頼いただく際はその都度お見積りさせていただきます。ご了承ください。
今回の修理期間は?
約3ヶ月