一部が欠けてしまった木製の盃
佐賀県Y様より御依頼いただいた木製の盃修理の例です。
※Y様撮影写真を使わせていただきました。
写真のように一部が欠けており、欠けた破片はないとのことでした。
この場合は、木で欠片を形作ったものを接着します。
いつもお願いしている木工屋のおじさんに欠片を作ってもらい、接着してもらいました。
気の良い木工屋さんなので、こういうちょっとした欠片作りも面倒がらず請け負ってくださいます。
お願いして数日で、接着完成。
接着してもらう作業工程で、多少周りにキズがついてしまいますが、これは仕方のない事です。
傷がつくのを最小限に抑えてもらって、このあと漆の塗り師職人に持っていきます。
漆の朱塗り完成!
接着した部分とキズがついた周りの部分を朱の漆で塗り替え修理しました。
色が違っているところが塗り替えた部分です。
※同じような朱の色で塗っても、漆の場合、塗りたては黒っぽく、徐々に明るく変化していきます。
このように、部分修理を希望するけど色の違和感が気になるなという方にはお勧めできません。
このあと、天渕を本金蒔絵で描くため蒔絵師に持っていきます。
天渕本金蒔絵完成!
蒔絵師さんに縁の部分を本金蒔絵してもらいました。
金を描き直すとすごくしまって全体的に美しく見えるから不思議です。
塗り師さんから仕上がってきて1ヶ月くらい置いておいたので、少しですが朱の漆の色も明るく変化しているように見えました。
今回は、木工屋さん⇒塗り師さん⇒蒔絵師さん、というように3人の職人さんの手により復刻した盃です。
仕上がった盃をご依頼主のY様に送ったところ、「期待していた以上に綺麗に仕上げていただいた」と喜びの声をいただきました。
ご依頼ありがとうございました。
今回の修理期間
○ 約3ヵ月
今回の修理費用
○ 約4,000円
(注) おおよその修理費用としてご紹介しておりますが、修理の方法の他、年々材料費の高騰により変化してます。
ご依頼いただく際はその都度お見積りさせていただきます。ご了承ください。